
結論:2進数・16進数は「位の重み」と「4ビット区切り」だけで攻略できる
2進数・16進数の問題は、暗記ではなく「変換のやり方」を1度覚えるだけで解ける計算問題です。
2進数⇔10進数は「8・4・2・1」の位の重み、2進数⇔16進数は「4ビット区切り」。
この2つのコツさえ押さえれば、ITパスポート・基本情報の基数変換は確実に点が取れるボーナス分野に変わります。
今回はIPAの情報処理試験で頻出の「2進数と16進数」の変換方法を解説します。
「あー!もう2進数とか16進数とか無理!!」
と、問題を見た瞬間にあきらめていませんか?

英単語のような暗記は不要で、覚えるのは「位の重み」と「4ビット区切り」の2つのコツだけ。一緒にサクッとマスターしていきましょう。
この記事でわかること
・2進数・10進数・16進数の違いと使い分け
・2進数→10進数を一瞬で解く「位の重み」の考え方
・10進数→2進数をパズル感覚で解く「8421方式」
・2進数⇔16進数を最速で解く「4ビット区切り」
・本番形式の練習問題3問(解説付き)
※筆者:ユウイチ(エンジニア歴25年。会社員として20年以上ソフトウェアエンジニアを経験→フリーランス→法人化)。組込み開発の現場とIT研修講師の両方の経験をもとに解説します。
2進数とは?コンピュータの「母国語」
2進数(Binary)は「0」と「1」の2つの数字だけで数を表す方法です。
2進数の仕組み
コンピュータの中身は電気回路なので、扱える状態は「電気が流れている(ON)」「流れていない(OFF)」の2つだけ。このONを「1」、OFFを「0」に対応させたのが2進数です。
つまり2進数は、コンピュータにとっての母国語のようなものですね。
ポイント
・2進数は「0」と「1」だけで数を表す
・電気信号のON(1)/OFF(0)と相性が良い
・コンピュータ内部の数値はすべて2進数で処理されている
2進数の表記例
たとえばこんな表記になります。
・1010(10進数の10)
・1101(10進数の13)
「1010」を「せんじゅう」と読んでしまいそうですが、2進数では「いち・ぜろ・いち・ぜろ」。同じ並びでも、何進数として読むかで値がまったく変わるのがポイントです。
講師視点|2進数の「読み方」でつまずかないコツ
僕が初学者に説明する時は以下のような伝え方をしています。
ポイント
・電球のON/OFFだけで合図を送る「光のモールス信号」のイメージ
・指を「立てる/折る」の2状態だけで数を数える方法(片手で31まで数えられる)
・YES/NOしか答えられない相手に、質問を重ねて数を伝えるゲーム
「1010を『千十』と読んでしまう」というつまずき方をする方が結構多い印象です。10進数の読み方が体に染み付いているので、無理もありません。
対策はシンプルで、桁が1つ上がるごとに値が2倍になると最初に押さえてしまうこと。10進数が10倍ずつ増えるのと同じ理屈だと分かれば、混乱はほぼなくなります。
10進数とは?人間にとって自然な数え方
10進数(Decimal)は「0〜9」の10種類の数字を使う、僕たちが日常で使っている数え方です。説明不要ですね^^;
ただ、後で出てくる変換の土台になるので、1つだけ確認させてください。
10進数の「3524」という数字は、実はこういう構造になっています。
| 10³(1000)の位 | 10²(100)の位 | 10¹(10)の位 | 10⁰(1)の位 |
|---|---|---|---|
| 3 | 5 | 2 | 4 |
3000 + 500 + 20 + 4 = 3524。
つまり、「各桁の数字 × その位の重み」を合計したものが数の正体です。
普段は無意識にやっているこの「位の重み」の考え方が、そのまま2進数・16進数にも使えます。ここが今回の最大のカギです。
16進数とは?2進数を読みやすくする「圧縮表記」
16進数(Hexadecimal)は「0〜9」と「A〜F」の16種類の文字で数を表す方法です。
16進数の仕組み
1桁で0〜15までを表したいのですが、数字は0〜9の10個しかありません。そこで足りない分をアルファベットで補い、A=10、B=11、C=12、D=13、E=14、F=15と割り当てています。
10進数と16進数の対応はこの通りです。
| 10進数 | 16進数 | 10進数 | 16進数 |
|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 8 | 8 |
| 1 | 1 | 9 | 9 |
| 2 | 2 | 10 | A |
| 3 | 3 | 11 | B |
| 4 | 4 | 12 | C |
| 5 | 5 | 13 | D |
| 6 | 6 | 14 | E |
| 7 | 7 | 15 | F |
なぜ16進数が使われるのか
理由はシンプルで、2進数4桁=16進数1桁にぴったり対応するからです。
たとえば「11111111」という2進数8桁は、16進数なら「FF」のたった2文字。コンピュータの中身(2進数)を、人間が読み書きしやすい形に圧縮した表記が16進数だと考えてください。
表記するときは「0xFF」のように先頭に「0x」を付けて、16進数であることを明示するのが一般的です。
・0xA(10進数の10)
・0x1F(10進数の31)
・0xFF(10進数の255)
講師視点|16進数は「内部の表現」ではなく「人間向けの表記」
僕が初学者に説明する時は以下のような伝え方をしています。
ポイント
・2進数が「モールス信号の原文」、16進数が「読みやすく翻訳した略語」のイメージ
・長い住所をZIPコードで短く表すような「圧縮表記」という説明
・電話番号のハイフン区切り(数字そのものは変わらないが、区切ると格段に読みやすい)
「16進数はコンピュータ内部の表現方法だ」という誤解をする方が結構多い印象です。
内部で動いているのはあくまで2進数で、16進数は人間が読み書きしやすくするための表記にすぎません。「中身は2進数、見せ方が16進数」と区別しておくと、後で出てくる4ビット区切りの意味もスッと入ってきます。
2進数・10進数・16進数の比較
3つの進数を整理するとこうなります。
| 項目 | 2進数(Binary) | 10進数(Decimal) | 16進数(Hexadecimal) |
|---|---|---|---|
| 使用する数字 | 0, 1 | 0〜9 | 0〜9, A〜F |
| 位の重み | 2のべき乗(1, 2, 4, 8…) | 10のべき乗(1, 10, 100…) | 16のべき乗(1, 16, 256…) |
| 主な使い手 | コンピュータ | 人間 | 人間(2進数を読むとき) |
| 桁数 | 長くなりやすい | 普通 | 短くて読みやすい |
どの進数も「各桁の数字 × 位の重み」の合計で値が決まる点は共通です。違うのは重みが2倍ずつ増えるか、10倍ずつか、16倍ずつかだけなんですね。
2進数から10進数への変換方法
ここから本題の変換です。まずは一番よく出る「2進数→10進数」から。
やり方:「1」が立っている位の重みを足すだけ
2進数の位の重みは、右から「1、2、4、8、16…」と2倍ずつ増えていきます。
変換のやり方は、「1」になっている桁の重みを足していくだけです。
例として、1010(2進数)を10進数にしてみましょう。
| 2³(8)の位 | 2²(4)の位 | 2¹(2)の位 | 2⁰(1)の位 |
|---|---|---|---|
| 1 | 0 | 1 | 0 |
「1」が立っているのは8の位と2の位なので、
8 + 2 = 10(10進数)
これだけです。10進数の「3524 = 3000+500+20+4」とまったく同じ理屈で、2進数は各桁が0か1しかないぶん、むしろ計算がラクなんです。
ポイント
・2進数の位の重みは右から「1、2、4、8、16、32、64、128…」
・「1」が立っている桁の重みを合計すれば10進数になる
・4桁なら「8・4・2・1」だけ覚えればOK
慣れないうちは時間がかかるかもしれませんが、「8421」を呪文のように覚えてしまえばすぐにできるようになります^^
10進数から2進数への変換方法
逆方向の「10進数→2進数」には、教科書的な方法と、僕のおすすめのパズル方式の2つがあります。
基本:2で割り続けて余りを下から読む
教科書的なやり方は、2で割り続けて余りを下から並べる方法です。10(10進数)を変換してみます。
10 ÷ 2 = 5 余り 0
5 ÷ 2 = 2 余り 1
2 ÷ 2 = 1 余り 0
1 ÷ 2 = 0 余り 1
余りを下から読むと 1010(2進数) になります。
確実な方法ですが、正直ちょっと面倒ですよね。そこで、パズル感覚でやれる簡単な方法を紹介します。
おすすめ:「8421」のパズル方式
それは、「8」「4」「2」「1」の数字を足し算で組み合わせる方法です。こんな問題をイメージしてください。
問題のイメージ
「8」と「4」と「2」と「1」。いずれかの数字を足して10にしてください。
ただし、各数字を使えるのは1回だけです。
答えは 8 + 2 = 10。あとは使った数字の桁に「1」を立てるだけです。
| 8の位 | 4の位 | 2の位 | 1の位 |
|---|---|---|---|
| 1 | 0 | 1 | 0 |
はい、1010(2進数)の完成。簡単でしょ?笑
もう1つやってみましょう。今度は「7」です。8は大きすぎて使えないので、4 + 2 + 1 = 7。使った3つの桁に1を立てて、
| 8の位 | 4の位 | 2の位 | 1の位 |
|---|---|---|---|
| 0 | 1 | 1 | 1 |
0111(2進数)になります。めっちゃ簡単です笑
試験会場で割り算を筆算するより、このパズル方式の方が圧倒的に速いです。大きい数字から「使えるか?」を判断していくのがコツですよ。
2進数と16進数の変換方法【4ビット区切りが最速】
次は試験でも実務でも一番よく使う「2進数⇔16進数」です。
ここで朗報です。2進数と16進数の変換に、10進数を経由する必要はありません。「4ビット区切り」を使えば一発で変換できます。
2進数→16進数:右から4桁ずつ区切る
2進数4桁(0000〜1111)は、ちょうど10進数の0〜15、つまり16進数の1桁(0〜F)に対応します。だから、右から4桁ずつ区切って、それぞれを16進数1文字に置き換えるだけでいいんです。
例:10101011(2進数)を16進数に変換
① 右から4桁ずつ区切る → 1010 | 1011
② それぞれを変換する → 1010は8+2=10でA、1011は8+2+1=11でB
③ 並べる → 0xAB(16進数)
各ブロックの中では、さっき覚えた「8421」の足し算がそのまま使えます。新しく覚えることはほぼありません。
16進数→2進数:1文字を4桁に展開する
逆方向も同じ理屈です。16進数1文字を2進数4桁に展開して並べるだけ。
例:0x3C(16進数)を2進数に変換
① 3 → 0011(2+1=3)
② C → 1100(Cは12、8+4=12)
③ 並べる → 00111100(2進数)
ポイント
・2進数4桁=16進数1桁の対応を使えば10進数の経由は不要
・2進数→16進数:右から4桁ずつ区切って各ブロックを変換
・16進数→2進数:1文字ずつ4桁に展開して並べる
・ブロック内の計算は「8421」の足し算でOK
10進数→16進数:16で割って余りを下から読む
10進数から直接16進数にしたい場合は、2進数のときと同じ発想で「16で割り続けて余りを下から読む」方法を使います。
例:171(10進数)を16進数に変換
171 ÷ 16 = 10 余り 11(B)
10 ÷ 16 = 0 余り 10(A)
余りを下から読むと 0xAB(16進数) になります。
ちなみに、いったん2進数にしてから4ビット区切りで16進数にするルートでも解けます。自分が計算しやすい方を選んでください。
練習問題で定着させよう【本番形式・3問】
やり方がわかったら、あとは手を動かすだけです。
以下は、IPA過去問の傾向を踏まえて作成したオリジナルの練習問題です(IPA公式の過去問そのものではありません)。本番形式に慣れるための練習として活用してください。実際の過去問はIPA公式サイトで公開されています。すべて今回のコツだけで解けます。
練習問題1:2進数→10進数
(問題) 2進数「11001」を10進数で表したものはどれか。
ア 19
イ 25
ウ 27
エ 50
👉 正解を見る
正解:イ(25)
解説:5桁なので位の重みは左から「16、8、4、2、1」。「1」が立っているのは16・8・1の位なので、16 + 8 + 1 = 25です。アの19は16+2+1で「10011」を読んだ場合、ウの27は16+8+2+1で「11011」を読んだ場合の値。位の取り違えを狙った選択肢です。エの50は25の2倍で、桁を1つ多く数えてしまったときに出る値ですね。
練習問題2:10進数→2進数
(問題) 10進数「13」を2進数で表したものはどれか。
ア 1011
イ 1101
ウ 1110
エ 1111
👉 正解を見る
正解:イ(1101)
解説:パズル方式でいきましょう。「8・4・2・1を足して13にする」と考えると、8 + 4 + 1 = 13。使った8・4・1の桁に1を立てて「1101」です。アの1011は8+2+1=11、ウの1110は8+4+2=14、エの1111は8+4+2+1=15。逆方向に検算(2進数→10進数)すれば、選択肢の誤りはすぐ見抜けます。
練習問題3:2進数→16進数
(問題) 2進数「11110000」を16進数で表したものはどれか。
ア 0x0F
イ 0xE0
ウ 0xF0
エ 0xFF
👉 正解を見る
正解:ウ(0xF0)
解説:右から4桁ずつ区切ると「1111 | 0000」。1111は8+4+2+1=15でF、0000は0。並べて0xF0です。アの0x0Fは区切ったブロックの順番を逆にしてしまった場合の答え。イの0xE0は1111をE(14)と誤変換した場合、エの0xFFは下4桁の0000までFと読んでしまった場合の値です。区切る順番(左のブロックが上位)に注意しましょう。
実務での使われ方
16進数は試験のためだけの知識ではなく、開発の現場では日常的に登場します。メモリのアドレスやエラーコード、カラーコード(#FF5733のような色指定)、通信データのダンプ表示など、コンピュータの「中身」に近い情報はほぼ16進数で表記されます。
特に組込み開発では、レジスタの設定値を0xABのような16進数で読み書きし、頭の中で2進数に展開して「どのビットがONか」を確認する作業が頻繁にあります。僕も組込みの現場では、今回紹介した4ビット区切りの変換を今でも日常的に使っています。試験勉強がそのまま実務スキルになる、コスパの良い分野です。
まとめ:基数変換は「確実に点が取れるボーナス分野」
今回は2進数・16進数の変換方法を解説しました。
| 変換方向 | 方法 |
|---|---|
| 2進数 → 10進数 | 「1」が立っている位の重みを合計する |
| 10進数 → 2進数 | 「8421」のパズル方式(または2で割って余りを下から) |
| 2進数 ⇔ 16進数 | 4ビット区切りで直接変換(10進数の経由は不要) |
| 10進数 → 16進数 | 16で割り続け、余りを下から並べる |
ポイント
・基数変換は暗記不要の「計算問題」。やり方を1度覚えれば一生使える
・2進数⇔10進数は「8421」、2進数⇔16進数は「4ビット区切り」
・迷ったら逆方向に変換して検算すればケアレスミスを防げる
慣れないうちは戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえばめっちゃ簡単です。情報処理試験でこの問題が出てきたら、確実に正解しておきましょうね^^
基数変換をマスターしたら、次のステップは「2進数で負の数をどう表すか」です。こちらも試験頻出なので、セットで押さえておきましょう。
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