人生を自由に楽しむために会社員を辞め、フリーランスを経て法人化し、現在は一人社長をしています。ユウイチです。
今回はIPAの情報処理試験で頻出のフェールソフト(Fail Soft)、フェールセーフ(Fail Safe)、フォールトトレランス(Fault Tolerance)、フォールトアボイダンス(Fault Avoidance) について解説します。
それぞれ「故障」や「異常」が発生時の設計思想なのですが、ITパスポート試験や基本情報処理試験に頻出のテーマなのでしっかり理解しておきましょう!
それでは、それぞれの概念を分かりやすく解説し、どのような場面で使われるのかを説明しますね。
フェールソフト(Fail Soft)
概念
フェールソフトとは、システムが故障したときに、完全に停止するのではなく、一部の機能を制限しながら動作を継続する設計思想 です。
メリット
- システム全体が完全に止まることを防ぎ、最小限の機能を維持できる
- 重要な処理だけを残し、利用者への影響を減らせる
デメリット
- 一部の機能が制限されるため、通常時のパフォーマンスを維持できない
例
- コンピュータの低バッテリーモード(パフォーマンスを落として動作を継続)
- ネットワーク障害時の通信速度制限(帯域を制限しつつ通信を維持)
フェールセーフ(Fail Safe)
概念
フェールセーフとは、システムが異常を検知した際に、安全な状態に移行する設計思想です。
メリット
- システムが問題を検知した際に、人や環境への影響を最小限に抑えることができる
デメリット
- システムが意図的に停止する場合もあるため、サービスが中断することがある
例
- 信号機の赤点灯(故障時には赤信号を点灯させ、安全を確保)
- エレベーターの非常停止(異常が検知された際に動作を停止)
フォールトトレランス(Fault Tolerance)
概念
フォールトトレランスとは、システムに障害が発生しても、正常な動作を続けられるようにする設計思想です。
メリット
- システムが異常発生時でも機能を維持できるため、可用性が向上する
デメリット
- 冗長性を確保するために、コストや設計の複雑さが増加する
例
- RAID(冗長ディスク構成)(HDDの故障時でもデータを維持)
- 二重化された電源供給システム(片方の電源が落ちても稼働可能)
フォールトアボイダンス(Fault Avoidance)
概念
フォールトアボイダンスとは、システムの設計や運用段階で、障害が発生しないようにする予防的なアプローチです。
先に紹介した三つ(フェールソフト、フェールセーフ、フォールトトレランス)が異常や障害が発生した後の事後対策なのに対し、フォールトアボイダンスは事前対策になります。
メリット
- そもそも障害が起きにくいため、システムの信頼性が向上する
デメリット
- 設計・テストに時間とコストがかかる
例
- 高品質な部品を使用することで故障率を下げる
- 厳密なテストや品質管理を実施する
4つの概念の比較表
比較を簡単にまとめておきます。情報処理試験対策であれば、以下を覚えておけば十分です。
項目 | フェールソフト(Fail Soft) | フェールセーフ(Fail Safe) | フォールトトレランス(Fault Tolerance) | フォールトアボイダンス(Fault Avoidance) |
---|---|---|---|---|
目的 | 一部機能を維持しながら動作 | 安全な状態に移行 | 障害が発生しても動作を継続 | そもそも障害を発生させない |
対策の方法 | 機能を制限して運用継続 | 異常検知時に安全な状態へ | 冗長性を持たせて異常を吸収 | 高品質な部品や設計で予防 |
メリット | システム全停止を防ぐ | 安全を確保 | 高可用性を維持 | 障害の発生を抑える |
デメリット | 機能が制限される | サービスが停止する可能性 | コストがかかる | 設計やテストに時間がかかる |
適用例 | 低バッテリーモード、通信制限 | 信号機の赤点灯、エレベーターの非常停止 | RAID、冗長電源システム | 高品質部品の採用、厳密なテスト |
まとめ
以上、今回は異常・障害発生時の設計思想を簡単にまとめてみました!
ちなみに過去、僕が情報処理試験を受けた際にやった覚え方は以下でした笑
簡単な覚え方
- フェールソフト(Fail Soft):一部の機能を制限しながら動作を継続する→ソフト(soft)なので、緩やかに運転
- フェールセーフ(Fail Safe):異常時に安全な状態へ移行する→セーフ(Safe)なので、ご安全に
- フォールトトレランス(Fault Tolerance):冗長性を持たせて、障害が発生しても正常に動作する→トレランス(Tolerance)なので、忍耐強く故障が起きてもへっちゃら
- フォールトアボイダンス(Fault Avoidance):障害が発生しないように設計段階で対策を行う→アボイド(Avoid)なので、故障を避けたい
情報処理試験対策であれば、この覚え方で十分だと思います。
これ聞かれるの選択問題のはずなので、これ覚えておくだけで正しい選択し選べます^^
情報処理試験でフェールソフト(Fail Soft)、フェールセーフ(Fail Safe)、フォールトトレランス(Fault Tolerance)、フォールトアボイダンス(Fault Avoidance)の問題が出てきたら、確実に正解しておきましょうね^^
それではまた!