フリーランス実践・案件獲得

フリーランスエンジニアが難しい理由とは?月104万円の現役が語る準備と対策

結論:フリーランスエンジニアは難しい。ただし難しさの正体は「準備で対策できる課題」

フリーランスエンジニアは、率直に言って難しい働き方です。
ただ、その難しさは才能や運ではなく、収入の変動・案件獲得・自己管理・キャリアの偏りという、あらかじめ対策できる課題に集約されます。

生活費6か月分の資金、説明できる実績、案件の獲得経路。この3つを独立前に揃えるだけで、独立は「才能の勝負」から「段取りの勝負」に変わります。

「フリーランスエンジニアに興味はあるけど、本当に自分にできるのか…」と不安に思ったことはありませんか?

検索すると「難しい」「やめとけ」という言葉が並び、独立前に何をどこまで準備すればいいのか分からないまま、不安だけが大きくなっている方も多いはずです。

僕はエンジニア歴20年で会社員から独立し、現在はMidworks経由の車載組込みPM案件に月104万円で参画しています。

この記事では、フリーランスエンジニアの難しさの正体と、独立前にやっておくべき準備を、実体験を交えて具体的に解説していきます。

ユウイチ
ユウイチ
難しいのは事実です。でも「何がどう難しいのか」が分かれば、対策は立てられます。漠然とした不安を、具体的な行動リストに置き換えていきましょう!

この記事でわかること

・フリーランスエンジニアが「難しい」と言われる4つの理由
・独立前に整えるべき技術スキル・資金・実績の準備
・会社員とフリーランスの働き方・収入のリアルな違い
・単価の目安と僕自身の実例(月78万円→月104万円)
・難しさを乗り越えて続けている人に共通する習慣

※筆者:ユウイチ(エンジニア歴20年→フリーランス→法人化)。組込みLinux・産業用ネットワーク・車載・空調設計・IT研修講師まで複数分野の案件を経験し、現在も現役で稼働中。実体験をもとに書いています。


フリーランスエンジニアが「難しい」と感じやすい人の特徴

フリーランスエンジニアは、誰にとっても同じように難しい働き方ではありません。これまでの実務経験や、営業・自己管理への抵抗感によって、独立後に感じる難しさは大きく変わります。

特に、次のような人は独立直後につまずきやすい傾向があります。

難しくなりやすい人難しいと感じやすい理由
実務経験がほとんどない人フリーランス案件は即戦力が前提のため、独学や学習経験だけでは応募できる案件が限られます
指示待ちで、主体的に動くのが苦手な人不明点の確認・進捗報告・トラブル対応を自分から進める必要があります
営業をまったくしたくない人エージェントを使っても、面談や経歴の説明、条件確認は避けられません
自己管理が苦手な人納期・稼働時間・学習・経理・税務・体調をすべて自分で管理します

なかでも実務経験が少ない状態で独立すると、案件を選ぶ余裕がなく、希望条件よりも「受注できるかどうか」を優先せざるを得なくなりがちです。

ただし、当てはまるからといって諦める必要はありません。会社員として経験を積む、エージェントに案件探しを任せる、会計ソフトを導入する、といった形で、苦手な部分は仕組みで補えます

コツは、難しさを漠然と恐れるのではなく、自分がどこでつまずきそうかを具体的に確認しておくことです。次の章で、難しさの正体を4つに分解していきます。


フリーランスエンジニアが「難しい」と言われる4つの理由

「フリーランスエンジニアは難しい」と言われる理由は、大きく4つに整理できます。まず全体像を図で確認してください。


① 収入が不安定で、案件が途切れるリスクがある

最大の理由は、毎月の収入が保証されていないことです。会社員のような固定給ではなく、参画している案件や稼働状況によって売上が変わります。

案件の多くは3か月や6か月単位で契約を更新します。本人の働きに問題がなくても、プロジェクトの終了や予算縮小、開発方針の変更で契約が終わる場合があります。次が決まらなければ、案件と案件の間に収入のない期間が生じます。

収入が不安定になる主な要因はこの4つです。

ポイント

・契約終了後、次の案件が決まるまで空白期間が生じる
・請求から入金まで時間がかかり、売上と実際の入金時期がずれる
・体調不良やけがで稼働できず、契約条件によっては報酬が減る
・案件がなくても、税金や社会保険料、通信費などの支払いは続く

特に注意したいのが、売上と入金のずれです。案件に参画していても、報酬の振り込みは翌月末や翌々月になる場合があります。僕はこれまでPE-BANK・レバテック・ギークスジョブ・Midworksと複数のエージェントを使ってきましたが、支払サイトは会社ごとに違いました。単価だけでなく、支払条件まで確認しておきましょう。

また、フリーランスには原則として有給休暇がありません。体調を崩して稼働時間が減れば、契約の精算幅によって報酬が減る可能性があります。無理を続けて長期離脱になれば、収入だけでなく取引先からの信用にも響きます。

こうしたリスクをゼロにはできませんが、備えることは可能です。生活費6か月分を目安に資金を確保する、契約終了の1〜2か月前から次の案件を探す、複数のエージェントとつながっておく。収入が途切れることを前提に準備しておくのがコツです。


② 実務経験やスキル不足だと案件獲得が難しい

案件獲得が難しい大きな要因は、多くの案件が一定の実務経験を前提にしている点です。フリーランス案件は即戦力を求める傾向が強く、応募条件に「実務経験3年以上」と書かれる案件が目立ちます。

企業側は、社員のように時間をかけて育成する前提で外部エンジニアと契約するわけではありません。参画初日から設計や実装を任せられる水準を期待するため、独学だけの状態では選考を通りにくくなります。

ここで難しいのは、経験を積む場を得るために経験が求められるという入り口の壁です。

この壁を越える近道は、会社員のうちに実務で使った技術とその成果を、他者に説明できる形で残しておくことです。僕自身、初案件(PE-BANK経由・組込みLinuxのバーコードリーダー開発)で月78万円からスタートできたのは、会社員時代の実務経験をそのまま実績として語れたからでした。応募時に語れる実績の有無が、案件獲得の可否を大きく左右します。


③ 営業・経理・税務・体調管理をすべて一人で担う

フリーランスエンジニアは、開発だけをしていればよいわけではありません。会社では営業・経理・総務が担当していた業務も、独立後は原則として自分で回す必要があります。

業務具体的な対応難しさ・注意点
営業活動案件探し、応募、面談、経歴の説明、単価・条件の交渉開発業務と並行して次の案件を探す必要があります
契約・事務契約内容の確認、請求書の発行、入金確認、書類管理契約条件の見落としや請求漏れが、収入やトラブルに直結します
経理売上・経費の記録、領収書の保存、資金繰りの確認記録を後回しにすると、確定申告前の負担が大きくなります
税務対応確定申告、所得税・住民税・消費税の確認、税理士への相談納税資金も自分で確保しなければなりません
体調・スケジュール管理稼働時間、納期、休息、学習時間の調整働きすぎによる体調不良や、業務の抱え込みに注意が必要です

これらは直接コードを書く時間ではありませんが、放置すると請求漏れや納税資金の不足、契約トラブルにつながります。

ただ、すべてを自力で抱える必要はありません。営業はフリーランスエージェント、経理は会計ソフト、税務は税理士と、外部に任せられる業務は仕組み化するのが現実的です。僕も営業と単価交渉はエージェントに任せて、開発に集中できる環境を作ってきました。


④ キャリアが特定領域に偏りやすい

見落とされがちな難しさとして、フリーランスはキャリアが特定領域に偏りやすい構造があります。企業は即戦力を求めるため、過去に経験した工程・分野の案件が集まりやすいのです。

たとえばテスト工程の経験が長い人にはテスト案件の話が多く届き、未経験の設計や新しい技術領域は任されにくくなります。得意分野で稼げる一方、新しいスキルを実務で伸ばす機会は減っていきます。

会社員なら配置転換や研修で半ば強制的に幅が広がりますが、フリーランスにはその仕組みがありません。学びの機会を自分で作らないと、数年後に扱える技術が古くなりかねないのです。

僕自身は、組込みLinuxから産業用ネットワーク、エアコン設計(月92万円)、車載、さらにIT企業の新入社員研修講師(ギークスジョブ経由で月100万円を受注)まで、意識して領域を広げてきました。単価の高い得意分野だけを追っていたら、今の車載PMの仕事にはたどり着けなかったと思います。

「そもそも自分はフリーランスに向いているのか」という不安が強い方は、こちらの記事も参考になるはずです。

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独立前に整えたい技術スキル・資金・実績

ここからは、難しさを小さくするための具体的な準備を見ていきましょう。


フリーランスエンジニアに求められる技術スキルの目安

独立を考えるなら、まず自分の技術領域で求められる経験年数の目安を把握しておくと安心です。領域によって案件数や参入のしやすさが変わります。

下の表は、主な領域ごとの目安を整理したものです。あくまで一般的な傾向で、案件・企業・時期によって条件は大きく変わります。

領域主な言語・技術実務経験の目安傾向
Web系フロントJavaScript / React2〜3年案件数が多く、比較的参入しやすいと言われます
Web系バックPHP / Ruby / Java3年前後需要が安定している傾向があります
モバイルSwift / Kotlin3年前後専門性で単価が上がりやすい傾向があります
インフラ・クラウドAWS / Linux3年以上高単価案件が多い一方、常駐中心の傾向があります
組込み・制御C / C++3年以上参入者が少なめで、専門性が評価されやすい領域です

組込み・制御は僕の主戦場ですが、実感としても経験者は貴重がられます。ニッチに見えて、IoT・産業機器・車載など需要の裾野は広い領域です。

自分の経験がどこに当てはまるかを確認し、足りない年数や技術を独立前に補う計画を立てておきましょう。


案件獲得の経路とエージェント活用の実態

案件をどこから得るかを知っておくと、独立後の営業戦略が立てやすくなります。一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の「フリーランス白書2025」では、仕事の獲得経路(複数回答)が次のように報告されています。

・人脈(知人の紹介含む):72.8%
・過去・現在の取引先:61.0%
・エージェントサービスの利用:25.3%

(出典:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2025」)

このデータから分かるのは、案件の多くが人とのつながりから生まれている点です。会社員時代の同僚や取引先との関係が、そのまま独立後の営業資産になります。

一方でエージェントは、人脈がまだ薄い独立初期に案件を安定して得る手段として有効です。僕自身、初案件はエージェント経由でしたし、その後もPE-BANK・レバテック・ギークスジョブ・Midworksを状況に応じて使い分けてきました。人脈で基盤を作りつつ、空白期間を埋める保険としてエージェントを併用するのが現実的です。

自分の技術領域に強いエージェントに複数登録し、案件情報を早めに得ておくと、契約更新のタイミングで慌てずに次の一手を打てます。


会社員のうちに整えたい資金と実績づくり

独立の成否は、会社員のうちにどこまで準備したかで大きく変わります。収入が途切れても慌てないための土台を、退職前に整えておきましょう。

ポイント

・生活費6か月分を目安に、案件が途切れても暮らせる資金を確保する
・実務で担当した工程や成果をまとめ、説明できる形の実績にする
・社内外の関係者との関係を保ち、独立後に相談できる人脈をつくる
・毎月の支出を把握し、収入が下がっても耐えられる家計に整える

この4つは、退職してからでは着手しにくい項目ばかりです。特に資金と人脈は、会社員という信用がある間に動くほど揃えやすいもの。準備の順番を守るだけで、独立初期の不安はかなり和らぎます。

退職前後の具体的な手順は、こちらの記事で詳しくまとめています。

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フリーランスエンジニアの働き方と収入のリアル

準備の話に続いて、独立後の働き方と収入のイメージを具体的にしていきます。


会社員エンジニアとフリーランスの違いを比較

会社員とフリーランスは、収入・働き方・キャリアのそれぞれで性質が異なります。どちらが優れているかではなく、自分がどのリスクを受け入れられるかで選ぶものです。

比較軸会社員エンジニアフリーランスエンジニア
収入固定給で毎月安定する単価は上げやすいが変動する
働き方勤務先の規則に従う契約範囲で自分が調整する
キャリア研修や配置転換で幅が広がる得意領域に集中しやすい
保障有給・社会保険が手厚い補償は自分で備える
営業責任会社が案件を用意する獲得から納品まで自分が担う

表を見ると、フリーランスの自由度の高さは、そのまま自己責任の重さと対になっていると分かります。安定を重視するなら会社員、裁量と単価を重視するならフリーランス、という軸で考えると判断しやすくなりますね。


単価の目安と僕の実例(月78万円→月104万円)

収入のイメージを持つために、単価の相場を確認しておきましょう。エン・ジャパンが運営する「フリーランススタート」の月次レポートでは、フリーランスエンジニアの月額平均単価は75万円前後と報告されており、公開データを見るかぎり月額70〜80万円台が相場の中心とされています。ただし実際の単価は、実務経験・担当工程・技術領域・稼働時間・契約形態で大きく変わります。

また、案件に記載されている月額単価が、そのまま手取りになるわけではありません。売上から税金や社会保険料、経費などを支払う必要があるため、会社員の給与と比較するときは額面だけで判断しないようにしましょう。

僕自身の実例も出しておきます。初案件はPE-BANK経由・組込みLinuxのバーコードリーダー開発で月78万円。その後、エアコン設計(月92万円)やレバテック経由の組込みLinux案件(月85万円)などを経て、現在はMidworks経由の車載組込みPM案件に月104万円で参画しています。

ユウイチ
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月104万円は、20年の実務経験と積み重ねた実績があっての一例です。誰でも最初からこの水準、という話ではありません。ただ、月78万円から段階的に上げてこられたのも事実です^^

初めから高単価だけを求めるのではなく、今の経験で参画できる案件で実績を増やす。担当できる工程や技術領域を広げ、案件を変えるタイミングで条件を見直す。この繰り返しで、単価は段階的に上げていけます。

ポイント

・公開データ上、月額70〜80万円台が相場の中心(経験・領域で大きく変動)
・月額単価=手取りではない(税金・保険料・経費を差し引いて考える)
・単価は「実績を増やす→案件を変えるタイミングで条件を見直す」の繰り返しで段階的に上げる


未経験からフリーランスは難しい?現実的な4ステップ

未経験からいきなり独立するのは、率直に言って厳しい道です。案件が実務経験を前提とする以上、経験ゼロの状態では選考を通過しにくいためです。遠回りに見えても、段階を踏むほうが結果的に早く安定します。

ステップは「就職して実務に就く→実務経験を積む→副業で小さく試す→独立を判断する」の4段階です。副業で一度案件を回してみると、独立後の働き方が具体的に見えてきます。焦って飛ばすと、収入も経験も足りずに苦しくなりがちです。

僕が初案件を獲得したときの流れは、こちらの記事に詳しく書いています。独立直後のイメージづくりにどうぞ。

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難しさを乗り越えて続けるためのコツ

最後に、難しさを越えて活動を続けている人に共通するポイントを紹介します。


続けられる人に共通する4つの習慣

特別な才能ではなく、日々の小さな行動の積み重ねが差を生んでいます。

ポイント

・新しい技術に月数時間でも触れ、扱える領域を増やす
・学びや実績を記事などで残し、案件や信用につなげる
・稼働と休みの時間を決め、体調とスケジュールを崩さない工夫をする
・収入の変動を前提に、支出と貯蓄のバランスを保つ

どれも派手さはありませんが、続けるほど効いてくる習慣です。僕がキャリアの偏りを避けて車載や講師業まで領域を広げてこられたのも、結局はこの積み重ねでした。


一人で抱え込まず、相談先と判断材料を持つ

フリーランスの不安は、収入の不安定さだけでなく、一人で判断する場面の多さからも生まれます。単価の妥当性、契約条件、次に学ぶスキル。すべてを自分だけで決めようとすると、迷いが大きくなりやすいです。

同業のコミュニティに参加する、経験のあるメンターに定期的に相談する、実体験に基づく発信に触れて相場観をつかむ。判断材料を増やす習慣があるだけで、判断の質は上がります。

相談は、困り切ってからでは遅い場合があります。案件が順調なうちにつながりを作っておくと、いざ収入が落ちたときに情報や紹介を得やすくなります。抱え込む前に、頼れる場所を一つでも確保しておきましょう。


まとめ:フリーランスエンジニアの難しさは準備で小さくできる

フリーランスエンジニアが難しいのは事実です。ただ、その難しさは収入の変動・案件獲得・自己管理・キャリアの偏りという、準備で対策できる課題に分けられます。

今日から進める5つの行動リスト

・資金を確認する:生活費6か月分を計算し、現在の貯蓄との差を把握する
・実績を整理する:担当した工程や技術を書き出し、説明できる形にまとめる
・獲得経路を調べる:人脈・取引先・エージェントのどれを軸にするか洗い出す
・情報を集める:実体験に基づく発信に触れ、単価や働き方の相場観をつかむ
・相談先を作る:コミュニティや相談相手を、案件が順調なうちに確保する

すべてを一度にやる必要はありません。上から一つずつ進めるだけで、独立への準備は着実に前へ動きます。まずは今日、資金の確認から始めてみてください。

独立までの全体像(準備・手続き・案件獲得・お金)は、こちらのまとめ記事で体系的に整理しています。

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ユウイチ
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一人で調べ続けるほど不安は大きくなります。まずは間口の広いサービスで相談しながら相場観をつかみ、並行して自分に合うエージェントを比較しておくのが、遠回りしない進め方です。

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20年間ソフトウェアエンジニアとして働いた後、フリーランスを経て現在は1人社長として活動。 プログラミング講師やIT教育を中心に活動しながら、趣味でゲーム開発やシナリオ作成にも挑戦中。どちらも「創ることを通じて人を笑顔にしたい」という想いから始めた、大切なライフワーク。 「創造と教育で、人生に迷う人の“自由な一歩”を支援」を理念に発信中。

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