人生を自由に楽しむために会社員を辞め、フリーランスを経て法人化し、現在は一人社長をしています。ユウイチです。
今回はIPAの情報処理試験にもよく出てくる「ロールバック」と「ロールフォワード」について解説します。
データベースやシステムの信頼性を保つために重要な仕組みが「ロールバック」と「ロールフォワード」なのですが、これらはITパスポート試験や基本情報技術者試験でよく出題されるので、しっかり理解しておきましょうね!
それでは、分かりやすく解説していきます。
ロールバック(ROLLBACK)とは?
まずは、ロールバックから。
概要
ロールバックとは、ある処理中にエラーや中断が発生した場合に、その処理を取り消して、データベースを元の状態に戻す操作です。
特徴
- トランザクションの途中で問題が発生したときに使用
- データの整合性を保つために重要な機能
- 一連の処理をすべて無効にすることで、システムの安定性を保つ
例
銀行で振込操作をしている最中にネットワークが切れた場合、途中まで処理された内容をキャンセルして、振込前の状態に戻す。
ロールフォワード(ROLLFORWARD)とは?
次に、ロールフォワードです。
概要
ロールフォワードとは、バックアップ時点から再開し、バックアップ以後の更新ログ(トランザクションログ)を適用して、最新の状態までデータを回復する操作です。
特徴
- 障害発生時にバックアップからの復旧時に使用
- 最新の状態に戻すためにトランザクションログを利用
- サーバ障害やディスク故障などの復旧で活躍
例
障害発生時、バックアップ後に保存されたログを順に再適用して、障害発生前の最新データに回復する。
ロールバックとロールフォワードの違い
簡単に違いをまとめますね。
項目 | ロールバック | ロールフォワード |
---|---|---|
用途 | 処理の取消・中断時 | 障害復旧・回復時 |
操作内容 | 処理を元に戻す | 処理を障害発生時点まで戻す |
主な使用場面 | アプリケーションやSQLエラー時 | システム障害からの回復 |
それでは、過去問題を見てみましょう!
ITパスポート試験の過去問題
過去問題①(令和5年度 春期)
(問題) データベースでトランザクション処理中にエラーが発生したため、それまでの処理をすべて取り消した。この操作を何というか。
ア. コミット
イ. バックアップ
ウ. ロールバック
エ. ロールフォワード
👉 正解:ウ(ロールバック)
解説:トランザクション処理中にエラーが起きた場合、処理を取り消して元の状態に戻すのがロールバックです。
過去問題②(令和3年度 秋期)
(問題) データベースにおいて、トランザクションを中断し、すべての変更を取り消して初期状態に戻す操作はどれか。
ア. ロールフォワード
イ. ログオン
ウ. ロールバック
エ. リストア
👉 正解:ウ(ロールバック)
解説:ロールバックは、トランザクション処理のすべての変更を取り消し、初期状態に戻す操作です。
基本情報技術者試験の過去問題
過去問題①(令和4年度 春期)
(問題) データベースが障害を受けたときに、あらかじめ取得していたバックアップとその後の更新記録を用いて、障害発生時点の状態まで回復する処理はどれか。
ア. ロールバック
イ. フォーマット
ウ. ログオン
エ. ロールフォワード
👉 正解:エ(ロールフォワード)
解説:ロールフォワードは、バックアップとトランザクションログを使って、最新の状態までデータを復旧する処理です。
過去問題②(令和元年度 秋期)
(問題) データベースに障害が発生した際、バックアップ後に保存された更新ログを基に、直前の状態までデータを回復する方法はどれか。
ア. コミット
イ. ロールフォワード
ウ. ロールバック
エ. チェックポイント
👉 正解:イ(ロールフォワード)
解説:ロールフォワードは、バックアップ後に記録された更新ログを適用することで、直前の状態まで復旧する方法です。
まとめ
用語 | 意味 | 使用場面 |
ロールバック | 処理中のトランザクションを取り消して元に戻す | エラー・中断時 |
ロールフォワード | バックアップ以降のログを適用して最新の状態に復旧する | 障害復旧時 |
ITパスポートや基本情報技術者試験では、基礎的なところしか問われないと思うので、以下の覚え方で大丈夫かなと思います^^
簡単な覚え方
処理を元に戻すのがロールバック
障害発生時に回復するのがロールフォワード
確実に正解できる問題なので、ロールバックやロールフォワードが出てきたら、しっかりと正解しておきましょうね!
それではまた!