
20年間エンジニアとして働いた後、フリーランスを経て現在は1人社長として活動しているユウイチです。
プログラミング講師やIT教育を中心に発信しながら、趣味でゲーム開発やシナリオ作成にも挑戦しています。
「創造と教育を通じて、自分らしく生きたい人の“自由な一歩”を支援する」――そんな想いを込めて、このブログを書いています。
今回はIT資格学習でもとても大切な考え方についてお話しします。
IT資格は「覚える量が多い」と感じませんか?
ITパスポートや基本情報技術者試験を勉強していると、
覚えること多すぎる…
覚えてもすぐ忘れる…
単語が似ていてごっちゃになる…
となることはありませんか?
講師をしていて、本当にこう感じる人がとても多いなと感じます。
ですが、これはあなたの記憶力が弱いからではありません。
原因は「暗記だけで進めてしまっていること」
ITパスポートや基本情報技術者試験では、基礎論理やアルゴリズムなど丸暗記ではどうしようもない分野もありますが、用語さえ覚えてしまえば正解できる問題も多くあります。
しかしIT用語は、表面だけを暗記しても忘れやすく、応用できません。
なぜなら用語の背景には「仕組み」があり、その用語自体に「役割」があります。
ですので、そこをしっかり理解していないと、知識として定着しないのです。
例:Ethernetで使うアドレスはどれ?
例えば、簡単な例を挙げると、
「Ethernetで使うアドレスはどれか?」
という問題があったとして(過去問にあったと思います)、選択肢に「IPアドレス」があると、

みたいになんとなく覚えていると、つい 「IPアドレス」 を選んでしまいます。
しかし 正解は「MACアドレス」 です。
ここで詳細説明は割愛しますが、以下のTCP/IPプロトコルスタック(TCP/IPプロトコルスイートと言ったりもする)を理解していて、対応するアドレスまで理解していれば間違えません。
| 層の名前 | ルール(プロトコル) |
| アプリケーション層 | HTTP,DNS,SMTP,FTP,Telnet,DHCPなど |
| トランスポート層 | TCP,UDP |
| インターネット層 | IP,ICMP,ARP |
| リンク層 | Ethernetケーブル、無線LAN |
| 使用アドレス | 層 |
|---|---|
| IPアドレス | インターネット層 |
| MACアドレス | リンク層 |
つまり、仕組み(構造)と役割を理解していれば、迷わないのです。
ちなみに、「物理層」や「データリンク層」はOSI参照モデルの用語で、厳密にはTCP/IPではないですが、この用語で説明されることもあります。比較すると以下のようになります。
| OSI基本参照 | 層の名前(TCP/IP) | ルール(プロトコル) |
| アプリケーション層 | アプリケーション層 | HTTP,DNS,SMTP,FTP,Telnet,DHCPなど |
| プレゼンテーション層 | ||
| セッション層 | ||
| トランスポート層 | トランスポート層 | TCP,UDP |
| ネットワーク層 | インターネット層 | IP,ICMP,ARP |
| データリンク層 | リンク(ネットワークインターフェース)層 | Ethernetケーブル、無線LAN |
| 物理層 |
👉 IPアドレスとMACアドレスの関係についてはこちらで詳しく説明してます:
IPアドレスとMACアドレス
-

【ネットワーク基礎】IP(Internet Protocol)とは?MACアドレスとの関係を図で解説
続きを見る
「なぜそうするのか?」まで理解することが大切
例えば、違う例で簡単に暗記と理解を紹介すると、以下のような感じです。
暗記例:
ロールバック → 元の状態に戻す
ロールフォワード → 障害前の状態に回復する
理解例:
ロールバック→実行中トランザクションの変更を取り消す
ロールフォワード →障害発生時、バックアップ後のログを適用して復旧する
ちょっとした違いに感じるかもしれませんが、暗記が単語と意味だけなのに対し、理解の方はデータベースをイメージし、処理中断や障害発生時にどうするか?を意識して覚えています。
どちらが記憶に残るかは明らかだと思います。
合格する人は「理解」しようとする
講師をしていて、合格する人は「丸暗記ではなく理解しようとしている人が多い」と感じます。
合格する人のやり方
・図で整理する
・手を動かして関係性を書く
・「なぜ?」「どんな時に使う?」を考える
こうした理解型の学習の癖がつくと、
✔️ 得た知識を忘れなくなる
✔️ 応用問題に強くなる
✔️ 実務でも役に立つ
という流れになり、試験にも強くなっていきます。
無理しなくて大丈夫。少しずつ「理解」に寄せていこう。
とはいえ専門用語も多いし、試験範囲は広いので、最初から完璧に理解する必要はありません。
特に初学者にとって最初から理解することは厳しいと思います。
ただ、「丸暗記で乗り切ろうとしない」という意識は持っておいてください。
その意識だけでも、勉強方法が変わってくるはずです。
もし理解できないところがあれば、ぜひコミュニティで聞いてくださいね。
一緒にIT資格勉強頑張っていきましょう!
それではまた!
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